（１６）再びＩＣＵで
翌朝，病院へ行くと，太ももにチューブが入れられているのが見えてしまった。また，体全体動けないように手足を紐で固定されていた。胴体もベットに固定されていた。まだ，小さいから動くなといっても無理な話だろうが，なんとかならないものか，あまりにもかわいそうである。でも，あまり泣いてはいないようである。えー，えーと言って何か訴えているようであった。傷口は，痛みを感じないのかな？先生の話ではまだそんなに感じていないということではあったが？
手術後ということで，熱が高くなっているようだ。それで，泣く力もなくなっているのだろうか。翌日，熱は少し下がって３７℃台になっていた。昨日より目をしっかり開いている（親の贔屓目をさしひいても大きいほう？）が，相変わらず無表情。まだ，きついんだろうな。はやく笑顔をみせてくれーっ。
そして，一般病棟へ。完全看護制なので，面会時間の午後１時〜７時しか会えない。病棟の入り口には大きな扉があって，許可証を持っている人しか入れないようになっている。当然，兄弟など子供は中に入れない。手を消毒して，白衣を着て耕太のいる部屋へ行く。１部屋に６人づつ患者である子供がいる。いろんな病気を持った子供たちがいる。みんな闘っているんだ。私たちも負けてはいられない。