症例一覧(5)
5)1歳以上
★症例13(2000/9現在)
1 | ヒルシュの診断時期 | 1歳0ヶ月 |
2 | 診断前の症状 | 生後3日目にミルクもおっぱいも飲まず,胎便も出ないため洗腸をした。自力排便がなく,こよりで出していましたが,生後11日目に再び洗腸。その後10日間だけ自力排便有り。後はずっとこよりや綿棒で1日5,6回は出していました。生後1ヶ月にヒルシュの疑いでレントゲンをとるように言われましたが,手術を恐れ拒否しました。体重も身長も順調でしたが生後9ヶ月,ついに頑固な便秘で浣腸も洗腸も無効。糞便が貯留し糞塊の形成により,イレウス(腸の働きが止まってしまう)になり,嘔吐を繰り返し吐血しました。お腹は通常の3倍に膨れ上がりました。治療中,腸に穴があいた疑いで緊急手術となり(穴はあいていなかった),人工肛門造設。後日,腸組織を検査しても確認できなかったがヒルシュ専門の先生がレントゲン写真を見てヒルシュに間違いないだろうといったそうです。そして満1才0ヶ月に根治手術を受けました。 |
3 | 人工肛門造設の有無 | 有,下行結腸 |
4 | 根治手術の時期 | 1歳0ヶ月 |
5 | 根治手術の方法 | Z型吻合ーGIA法 |
6 | 患部の長さ | 10cm以上と聞いています。 |
7 | 手術後のリハビリ | 指によるブジーを半年。 |
8 | 現状 | 体調,食事や水分によりかなり変化があり,1日出ないこともありますが次の日には3,4回ぐらい排便有り。量的にもたくさん出します。1日出ないで心配なときはブジーをしたり,ラキソベロン液を飲ませて,ヨーグルトなどをたくさん食べさせます。 |
9 | コメント | 治療したにもかかわらず排便時の出血が続いていますが,NONBOXさんによるアドバイスで「経過は月単位ではなく,年単位でゆっくり,ゆっくり,長い目で見てあげること」が必要だと思いました。 |
10 | 患児の性別等 | 男の子,第1子 |
11 | 連絡先等 | E-mail:症例13 |
★症例24(2001/3現在)
1 | ヒルシュの診断時期 | 1歳8ヶ月 |
2 | 診断前の症状 | ミルクの飲みが少ない。生後6ヶ月まで排便あり。のちに排便なくなり盲腸破裂。 |
3 | 人工肛門造設の有無 | 有。 |
4 | 根治手術の時期 | 2歳11ヶ月 |
5 | 根治手術の方法 | わかりません。大腸ほとんどを取り,小腸と肛門部分の少々の大腸と合体させて腸と肛門を作ったそうです。 |
6 | 患部の長さ | 全結腸型(大腸全部) |
7 | 手術後のリハビリ | 毎日浣腸。 |
8 | 現状 | 普通にトイレで排便。もらすこともめったになし。 |
9 | コメント | 特になし。トイレトレーニングもなく一人で覚えてくれたので助かってます。唯一おならが許されないらしく,おならのたびにパンツを換えます。 |
10 | 患児の性別等 | 女の子,3歳,第1子 |
11 | 連絡先等 | E-mail:症例24 |
★症例10(2000/6現在)
1 | ヒルシュの診断時期 | 3歳の誕生日の直後でした。 |
2 | 診断前の症状 | かかりつけの小児科医からの紹介で県立の小児医療センターにかかったのですが,ヒルシュを疑うには体格が良すぎ,便秘もないことから断定できない、とのことでした。 |
3 | 人工肛門造設の有無 | 無 |
4 | 根治手術の時期 | 3歳1ヶ月の時 |
5 | 根治手術の方法 | 術式名はわからないのですが,結腸と直腸に神経節がないことから,上から正常な腸をひっぱってきて2本の間を鉗子で留めておきその部分を壊死させ1本にする,というものでした。(管理者注:おそらくDuhamel変法) |
6 | 患部の長さ | 15cm程度と聞いています。 |
7 | 手術後のリハビリ | 3歳まで自力で排便するという意識がなかったため,とにかく,時間をきめてトイレに行き,行ったら出るまでトイレにいる,30分でも40分でも,という毎日でした。が,浣腸はしないですみました。これは,主治医も信じ難いようでした。 |
8 | 現状 | 現在小学3年になり,とにかくトイレの時間が長いので,朝というわけにはいかず夜トイレにおこもり,という状態ですが,便はゆるいもののなんとかなっています。 |
9 | コメント | トイレが長いことが,どうしてもネックになっていて,外でトイレに入る事がかなり負担になっているようです。学校,学童,親戚など事情を話してある場所でもそろそろ恥ずかしいという感情が出てきているようで,これから外の世界に,親抜きで参加することがどんどん増えていくのだ,と思うだけで私としてはなんとかしてその負担を軽くしてやりたいと願っています。皆さんのコメントを読んでいると,自力で便が出てありがたいことだし,幸い大きく育ってくれていてコメントする事は控えた方がいいのかもって思ったりしたんです。でも3才までそこそこ大きくなってくれて(とても大きい方に入っていたんです)検診に行ってもノーチェックでお腹がガスで張っていたのに太ったんだから少し食事に気を使うようになんて保健婦さんから指導をうけて・・・・・,そんなだから,ヒルシュも軽い方なんだったんだろうと思っていたら主治医から,『本来なら産まれてすぐにストマにしなければならなかったくらいの症状です。楽観してはいけない。』と言われ,それから,大騒ぎっていうのもいてもいいかも,と思いました。異変に気づいたのは保育所の保母さんでした。本当にあっという間にどんどん悪くなり,というケースです。 |
10 | 患児の性別等 | 男の子,8歳,第1子,2人兄弟 |
11 | 連絡先等 | E-mail: 症例10 |
★症例4(2000/5現在)
1 | ヒルシュの診断時期 | 3歳5ヶ月 |
2 | 診断前の症状 | 胎便は出たが,その後3日に1回のペースで概ね便秘気味。1歳半頃から,自力排便が少なくなり,浣腸を多用。2歳半頃には便が肥大化した。 |
3 | 人工肛門造設の有無 | 無 |
4 | 根治手術の時期 | 3歳6ヶ月 |
5 | 根治手術の方法 | Swenson法 |
6 | 患部の長さ | 直腸〜結腸25cm |
7 | 手術後のリハビリ | ゼリー状の食品で便を固める。下痢止め薬。 |
8 | 現状 | 自力排便する。体調によって漏便することもある。 |
9 | コメント | 手術の後遺症で直腸膣瘻を併発。治療の目処なし。 |
10 | 患児の性別等 | 女の子,5歳,第1子 |
11 | 連絡先等 | E-mail: 症例4 HP: ヒルシュスプルング病闘病記 |
★症例40(2007/10現在)
1 | ヒルシュの診断時期 | 3歳3ヶ月 |
2 | 診断前の症状 | 風邪をひいて、腸閉塞になって、検査の結果分かりました。今から思えば、腹部の膨満感はありました。おならも大きかったです。ウンチも巨大な時がありました。生後8、9ヶ月の頃は便秘がちでしたが、それ以降は毎日排便があり気になりませんでした。 |
3 | 人工肛門造設の有無 | 無 |
4 | 根治手術の時期 | 3歳6ヶ月 |
5 | 根治手術の方法 | 診断的治療も兼ねて、肛門括約筋切開手術と言われました。(検査のため細胞を採るが、それで完治となるだろう) |
6 | 患部の長さ | 直腸と肛門の境目付近1センチ |
7 | 手術後のリハビリ | 特に何もなし。 |
8 | 現状 | まだ手術後二週間で、ゆるいウンチが続いていますが、トイレで自力で排便出来ています。 |
9 | コメント | 幸い、ヒルシュでも軽い(先生がウルトラショートと言ってました)方でよかったのですが、ネットで調べても参考になるものが少なかったです。三歳越えてからでも見つかるという場合があるんだよということを知ってもらえたらと思います。 |
10 | 患児の性別等 | 女の子3歳、第2子、2人兄弟 |
11 | 連絡先等 | E-mail: 症例40 |